言葉と本と季節の交差点。 テーマは恋愛・セックス・心模様・自然・科学・デザイン・漢字・詩・ときどき経済・歴史・ITなど。つまり何でもありです。 リンクはフリーです!


by papas8559
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村上春樹とワタシ

村上春樹とワタシ_d0018299_22201377.jpg
本を鞄にしのばせて、
街へ出掛けるだけで、
街の風景が変わって見えた本がある。

缶ビアのプルリングをあける仕草さえ、
どこか、異国情緒ある気分にさせてくれた。

フライドポテトの味も格別だった。

バーのカウンターに座りたい衝動にかられた。

ジャズを聴いた。

今まで読んだ、どの本とも違っていた。

だが、感動といった種類のものとも違っていた。

文体も今まで味わったことがないものだった。
舌で、ゆっくり言葉を転がしながら、
心へ運ぶような、そんな文体だった。

大げさかもしれないけど、
村上春樹の初期の作品「風の歌を聴け」
「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」は、
私にとって、ある時代にめぐり逢った大切な本だ。

そんな中で、今でも脳裏に残っている言葉がある。

「僕らは、この世界に慣れたけど、
 けっして、馴染んではいなんだ」

ふと、ニュースを見ると、
未だに、ときどき、そんな言葉が蘇ったりする。

by papas8559 | 2005-05-07 22:23